ブレーキパッド交換目安と費用を徹底解説!自分で交換は可能か

トラブル・修理

車のブレーキを構成する部品のひとつがブレーキパッドです。ブレーキペダルを踏むとブレーキパッドが作動し、タイヤの回転力を落として、車の動作を制御する役割を持っています。ブレーキパッドは摩耗する消耗部品のため、定期的な交換が必要です。

こちらではブレーキパッドの交換目安はいつごろか、交換にかかる費用はどれくらいかかるのか詳しく解説します。また、自分でブレーキパッドの交換をすることで費用を抑える方法もあわせてご紹介します。

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ブレーキパッド交換時期の目安はいつ?

ブレーキパッドの交換時期の目安は、走行距離で30,000km~40,000km毎とされています。

ただ、運転の仕方や車の使用環境により走行距離では交換時期を測れないこともあります。走行距離以外でわかる、ブレーキパッド交換が必要な車の特徴について解説します。

ブレーキ鳴きの音がしたらブレーキパッドの交換目安

ブレーキペダルを踏んだときに「キーキー」や「シャリシャリ」というブレーキ鳴きの音が聞こえたら、ブレーキパッドの摩擦材が厚み3mm以下になっていて寿命が近く、交換が必要な時期がきているといえます。

ブレーキパッドに取り付けるパッドウェアインジケーターという部品は、一定の厚さより薄くなるとディスクローターと接触する仕組みになっており、ブレーキパッドの厚みが減ると甲高い音を出して、運転者に交換時期を知らせる仕組みがあります。車によっては警告灯で知らせるものもあります。

その他に、「カラカラ」という音が聞こえた時はブレーキパッドが割れている可能性があり、「ゴー」と聞こえた時はブレーキパッドとブレーキローダーの金属同士が擦れ合っていたり、錆や溶けた摩擦材など異物が付いていたりする可能性が疑われます。いずれにしてもブレーキパッドに異常がある可能性が高いため、早めに点検を受けたほうが良いでしょう。

ブレーキフルードの残量で交換の時期がわかる

ブレーキフルードの残量を見ると、ブレーキパッドの減り具合を確認することができます。

ブレーキフルードの残量でブレーキパッドの減り具合を確認するには、まず車のボンネットを開けて、黄色みがかった液体の入るポットを探してください。そのポットがブレーキフルードのリザーバータンクになります。リザーバータンクにはMIN(またはLOWER)とMAX(またはUPPER)のメモリが付いており、液面がその間にあれば問題ありませんが、もしもMINに迫っているようであれば、ブレーキパッドの交換が必要な時期を示しています。

ブレーキペダルを踏んだときの力を増幅してブレーキパッドに伝えるのが、ブレーキフルードと呼ばれるオイルです。ブレーキパッドの厚みが減ると、ブレーキキャリバーから押し出すためのピストンが内部へ移動します。その空いたところにブレーキフルードが入り込むため、リザーバータンクの液面が下がるわけです。

ただし、この確認方法はブレーキパッドとブレーキフルードを同時に交換している車でないと使えません。ブレーキフルードだけを先に交換すると、ブレーキパッドが減った分も補充されてしまい、寿命に気付かない恐れがあるので注意が必要です。特に中古車を購入したときは、定期点検整備記録簿で交換時期を確認しましょう。それによって、MINよりも高い液面で交換するなど、目途を付けられます。

ブレーキパッドの残量確認で交換時期がわかる

異音やブレーキフルードの残量は、あくまでも目安であり、実際のブレーキパッドの減り具合は部品本体を目視するのが一番です。ブレーキパッドの内側を目視し残量を確認するための手順は以下になります。

  1. 車をジャッキで浮かせます
  2. クロスレンチでボルトを外します
  3. ホイールをハブから引き抜きます
  4. ブレーキキャリパーが見えたら点検窓からブレーキパッドを確認

ちょうどブレーキローターを挟める位置に、ブレーキパッドが見えるはずです。ホイールのデザインによっては、付けたままでも点検窓が見える場合もあります。

ブレーキパッドの新品は10mm前後の厚さですので、ブレーキパッドを目視してみて5mmくらいになったら次の定期点検や車検のタイミングで交換すると良いでしょう。もし、3mm以下になっていたら、すぐに交換しなければいけないタイミングです。ブレーキパッドの厚みが1mm以下になっている場合は、ブレーキパッドの摩材が、ほぼなくなっている状態です。ブレーキの効きが悪くなっている恐れもあるため、走行をせずに安全な所へ移動しブレーキパッドを交換しましょう。

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ブレーキ鳴きの症状は、ブレーキパッドを交換した直後にも起こる場合があります。それは取り付けが不十分だったり、ローター側に問題があったりするなど、原因は様々です。

ブレーキパッドの交換費用と交換にかかる時間は

業者に依頼する場合、ブレーキパッドの交換にはどれくらいの費用と時間がかかるのでしょうか。

ブレーキ周りの不具合によって引き起こされる事故は、車の基本動作である止まることが出来なくなったりと命の危険に直結します。そのためブレーキパッドを交換するときも、出来れば業者に依頼することが望ましいです。

ブレーキパッドの交換費用はいくらかかる?

ブレーキパッドを交換するときは、新しいブレーキパッドの部品代金と交換に伴う工賃がかかります。ブレーキパッドにはフロント用とリア用があり、それぞれ左右両輪分で1セットです。どちらかといえば、フロントのほうが早く減りやすいため交換頻度が多くなります。純正品のブレーキパッドの部品代金相場が以下になります。

車の種類ブレーキパッド部品代金
軽自動車(1セット)7,000円~
普通車(1セット)
ミニバンや高級車
8,000円~
15,000円~

ブレーキパッド交換工賃は業者によってまちまちで、安いところでは2ヶ所で6,000円前後です。工賃の設定が高いところでは、1ヶ所で同額程度の請求をされる場合もあります。日頃から車検を依頼している業者など付き合いのあるところなら、車検と同時に依頼すれば安い工賃で引き受けてくれるかもしれません。まずは見積もりをとってみましょう。

ブレーキパッドの交換にかかる作業時間はどのくらい?

ブレーキパッドの交換にかかる作業時間は2ヶ所交換で30~40分、ブレーキフルード交換も併せると約1時間程度かかるでしょう。

ブレーキパッド交換の工程では、ホイールを外してブレーキキャリパーを開き、ピストンを元の位置に戻さなければいけません。その上で、新しいブレーキパッドを取り付けて元通りにします。同時にブレーキフルードも交換するなら、もう少し時間が掛かります。さらに、交換の前後には作業の説明などがあるため、合計で1時間くらいを目安に考えておくと良いでしょう。カー用品店や整備工場では、事前に予約すると少ない待ち時間で作業をしてもらえます。

ブレーキパッドの交換はガソリンスタンドで出来るの?

ガソリンスタンドでブレーキパッドの交換を対応しているなら、給油がてら依頼できますし、気兼ねなく質問もできます。ただし、ブレーキ周りをはじめ、分解作業を行うには地域を管轄する運輸局長の認証を受けた工場でなければなりません。ガソリンスタンドが認証を受けていれば、分解作業に従事する整備士が居るので、安心して依頼できるでしょう。認証工場には、その旨を記載した黄色い看板が掲げられていますので、依頼前に確認してみても良いでしょう。中には車検もできる指定工場があり、同じく分解作業が可能です(看板の色は青になります)。

ブレーキパッドを自分で交換する方法

ブレーキパッドは自分で交換することもできます。道路運送車両法の第47条で、自分の車は自分で整備するよう義務付けられているので、改造や違反行為にはなりません。ただし、手順を間違えると元に戻せなかったり、安全に走れなくなったりするので自信が無ければ業者に依頼しましょう。

用意するもの

交換用のブレーキパッドはカーショップやインターネット通販などで購入します。その際には必ず適合車種を確認しましょう。安ければ2,000円くらいですが、性能にこだわると高額になります。工具は以下を用意しましょう。

クロスレンチスパナまたはメガネレンチ
トルクレンチジャッキ
作業手袋C型クランプ
グリス粗目の紙やすり(#60くらい)
ウエス部品や工具を置く受け皿

ブレーキパッドを自分で交換する手順

まずは、ブレーキパッドを点検するときと同じ要領で、ブレーキパッドキャリパーを開くところまで進めます。

車をジャッキで持ち上げます。
ホイールのボルトをクロスレンチで外したら、ホイールを引き抜きます。
ブレーキキャリパーのボルトをスパナやメガネレンチで外して、ブレーキキャリパーを開きましょう。
開いた側にはブレーキパッドが減った分だけピストンが出ているので、C型クランプを使って、ゆっくりと元の位置まで押し込みます。このとき、C型クランプの代わりに専用のツールやコンプレッサーがあると便利です。ピストンを動かすとブレーキフルードが押し戻されるため、あふれないよう事前に液面を確認しておきましょう。
ブレーキローター側に装着されているブレーキパッドは、外側に向かって引っ張ると外れます。外す前にどのように装着されているか向きを確認しておくと、新たに取り付けるときに迷いません。
ブレーキパッドにパットウェアインジケーターや、シムというブレーキ鳴きや片減りを防ぐための部品が付いていたなら、外して再利用できます。クリーニングした上で新しいブレーキパッドの外側にグリスを塗って装着し、さらにその上からグリスを塗ります。
内側は粗目の紙やすりを使って、摩擦材を軽く研磨しておくと装着したときにブレーキローターと馴染みやすくなるはずです。
ここまでの作業が終わったら、新しいブレーキパッドを装着し、ブレーキキャリパーを元に戻してボルトを締めます。最後にホイールを装着して、トルクレンチでボルトを締めたら完了です。

ブレーキフルードの量を確認し、運転席でエンジンを掛けないで30回ほど感触が戻るまでブレーキペダルを踏みます。これは、ピストンが確実に新たなブレーキパッドを押せる状態にするためです。この作業を怠るとブレーキがまったく効きません。

ブレーキパッドの交換をした後は慣らしで点検テスト

ブレーキペダルの感触が戻ったら、安全なところで徐行しながら、あらためてブレーキペダルを踏んで効き具合を確かめます。このときにしっかり停まれるのはもちろん、以前と同じ踏み込みで停まれるかも確認したいところです。思うように停まれないのはもちろん、ピストンが汚れているなどの理由でブレーキペダルを奥まで踏み込まないといけないようであれば、認証工場で見てもらいましょう。

他人のブレーキパッドを交換しても良いの?

自分の車で成功すると、つい他人のブレーキパッドまで交換してあげたくなりますが、これは、道路運送車両法の第78条で禁止されています。交換できるのは自分の車だけであり、他人のブレーキパッドを分解して交換できるのは認証工場だけです。たとえ整備士の資格を保有していても、分解作業ができるのは認証工場内に限られます。

ブレーキパッドの役割とは

ブレーキパッドの交換時期の目安や交換にかかる費用について解説してきました。なぜブレーキパッドは交換が必要なのか、ブレーキパッドの仕組みと役割、ブレーキパッドの重要性について最後に説明します。

ブレーキパッドは車のブレーキを支える部品

車のブレーキには「ドラムブレーキ」と「ディスクブレーキ」の2種類があり、最近は放熱性に優れて雨にも強いディスクブレーキが主流となっています。ディスクブレーキは主にブレーキローター(ディスク)とブレーキキャリパー、そしてブレーキパッドの3つで構成されています。

車を停止させようと運転者がブレーキペダルを踏むと、その力がブレーキフルードを通してブレーキキャリパーに伝わり、内部にあるブレーキパッドが押し出されます。押し出されたブレーキパッドがブレーキローターを挟んで押さえこみ、その際に摩擦が生じて車の動きを制御する仕組みとなっています。両側から挟むためにブレーキパッドは2枚必要で、部品代金も1セットからになるのです。

ブレーキローターは、ハブというホイールを取り付ける部品の周りにあり、運転中はホイールと一緒に回転しています。ブレーキパッドは、摩擦の抵抗によってブレーキローターの回転を止めます。それに伴ってハブやホイールの回転も止まって、車も停まることが出来るというわけです。

ディスクブレーキを採用している車なら、ホイールを外すとディスクブレーキが目視できるようになります。ディスクローターを覆うようにブレーキキャリパーが取り付けられていて、ブレーキパッドがあるのはその内部です。ブレーキパッドの残量など状態確認は、このブレーキキャリパーの点検孔から覗き込むことが出来ます。

ディスクブレーキの部品はいずれも重要ですが、ブレーキパッドが動作しなければ車は停まれません。いつも正常な状態に保つことで安全な車の動作が出来るよう、定期的に点検や交換が必要なのです。

ブレーキパッドが交換必須の消耗品である理由

ブレーキパッドという部品は、金属の板の内側に金属粉・繊維・カーボンなどの摩擦材が貼り付けられていて、ブレーキローターを挟むたびに少しずつ削られていきます。ブレーキパッドの摩擦材が削られて減った状態で使い続けると、摩耗が進んでブレーキが効かなくなり車を停止することができなくなるため、大きな事故に発展する恐れもあります

摩擦材が削れて金属の板がむき出しになると、直接触れるブレーキローターも傷付けてしまい、ブレーキパッドが正しく当たらなくなってしまいます。さらに、ブレーキフルードが漏れ出してしまうと、ホイール内の塗装が乱れ、ますます車は止まれません。結局、ブレーキパッドだけを交換するよりも高額の修理費がかかってしまいます。

そのため、ブレーキパッドの摩擦性能が正常に動作できなくなる前に交換するのが理想です。ブレーキが現時点で効いていたとしても、ブレーキパッドの厚みが薄くなっていると車検に通らない可能性もあります。

バイクにもあるブレーキパッド!車との違いとは

車と同じく、ほとんどのバイクにもディスクブレーキが採用されています。当然、ブレーキパッドも存在しますが、車とは交換する時期も方法も違います。どんな違いがあるのでしょうか。

バイクのブレーキパッドは交換時期が違う

車のブレーキパッドは新品で10mm前後あり、残り5mm以下になった頃から交換を検討し始めます。一方、バイクのブレーキパッドは新品でも3~4mm程度しかなく、1mm前後が交換するタイミングです。バイク用のブレーキパッドには溝が付いているので、それが見えなくなったときが目安になります。交換の目安となる走行距離も5,000km~10,000km毎と、車より短めです。

バイクのブレーキパッドは交換方法が違う

バイクのディスクブレーキは車と部品構成が大幅に異なり、細かい部品が多数あります。特にピン類はデリケートで、ネジ山を回すときの力加減を間違えるとすぐ駄目になってしまうほどです。それでいて煤(すす)などで固着しやすいというデメリットもあります。さらに、交換するのはバイクによって2~3ヶ所に及ぶため、大変手間のかかる作業です。

最初から認証工場に依頼したほうが簡単ですし、安全でしょう。バイクのブレーキパッドの交換費用はブレーキパッドの本体料金が1セットあたり1,000円~5,000円くらいで、工賃は2,000円前後です。車に比べると安くなります。

ブレーキパッドに関してよくあるご質問

これまでの内容をまとめて、ブレーキパッドに関してよくいただく質問にお答えします!

Q.ブレーキパッドが減っているサインは?何年で交換?

A.ブレーキパッドが減っているというサインは、ブレーキペダルを踏んだ時に「キーキー」や「シャリシャリ」といったブレーキ鳴きの音が聞こえたときとなっています。甲高い音がなるため警告音のように感じるかもしれません。車を使用することで消耗する部品のため、何年毎という目安はありません。異音だけでなく、目視でブレーキフルードの残量やブレーキパッドの厚さを確認して、そろそろ交換時期かどうかの確認も出来ます。目視でブレーキパッドの交換目安を見るときは、新品の場合は10mm前後の厚みですので、厚みが残量3mm以下になっている場合はすぐに交換するようにしましょう。

Q.ブレーキパッド交換の費用はいくらですか?

A.ブレーキパッドの交換を業者に依頼してかかる費用は、ブレーキパッドの本体価格と業者への工賃を足した金額になりますので、軽自動車であれば1セット7,000円と交換工賃、普通乗用車であれば1セット8,000円と交換工賃がかかります。車体が大きい車であったり高級車になるとブレーキパッドの部品自体が高くなるため、15,000円以上の部品代金と交換工賃になります。業者の交換工賃は2か所で約6,000円~12,000円となっています。

Q.ブレーキパッドは自分で交換できますか?

A.ブレーキパッドの交換はご自身で行うことも可能です。ただし、ブレーキに関する部品ですのであまり車の整備などに慣れていない方にはおすすめしません。ブレーキパッドなどの部材や、必要な工具などはカーショップや通販で用意することが出来ます。交換の手順通りにすすんだら、慣らしで点検テストを行います。ブレーキが効くかどうか、以前と踏み込む力は同じままかなど安全なところで確認しましょう。

まとめ

ブレーキパッドにはブレーキローターを挟んで車を停める役割があります。ブレーキローターを挟むたびに摩擦材が削れてしまうため、残りの厚さが3mmを下回ったくらいで交換が必要な消耗品です。ブレーキパッドの交換は認証工場に依頼することが可能で、交換費用は部品代金と工賃を含めて12,000円~27,000円が相場となります。自力でも交換は可能ですが、正しく交換できないと安全性が損なわれるため、自信が無ければ業者に依頼しましょう。

ブレーキパッドの交換は走行距離でも目安があり、30,000km~40,000km毎と言われています。もしも2回目の交換がそろそろ必要という場合は、車自体の年式も10年前後経過していて、かなり古くなっている時期であることが見込まれます。その他の部品交換や修理も頻発する時期になっているでしょう。そうなった場合は今の車を売った際の買取額と、工賃を含む交換費用や維持費などを比較して、今後の計画を立てることをおすすめします。

なお、年式が10年以上経過していたり、走行距離値が10万キロを超えている車は、中古車としての再販価値が下がっている可能性が高く、国内での中古車相場では買取がつかないことも多くなっています。過走行車や古い車の手放し先をお探しでしたら、どんな車でも買取可能となっているカーネクストまでお気軽にお問い合わせください。

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